2017年 05月 31日
石を仕分ける人
この2年ほどは、地面から出てきた大量の石との格闘でした。
何万、何十万とある石を一つ一つ手で仕分けしたり、ふるいにかけたりして、サイズごとにS,M,L,XLと分けていきました。
さらに色で2つに分け、角ばったものと丸いものを分けました。
つくづく暇だなと思いますが、それをやっておくと、庭全体に秩序ができ、空間に「張り」のようなものが漲るんです。
建築家アルヴァ・アアルトの「マイレア邸」という名作住宅があります。
その屋上には石が敷き詰めてあるのですが、その写真を見て驚きました。
普段見えない所なので、単に敷き詰めるだけで良いものを、形と大きさでエリアを分けて配置し、屋上表面が抽象芸術のようになっているのです。
そのようなところまで手を抜かず、緊張感を保ち続けるデザインには執念のようなものを感じます。
あんまり毎日毎日石の仕分けばかりしていたので、ある日、散歩中のおとうさんに真顔で聞かれました。
「あなたはいったい何をやっている人なんですか?」
どう答えたのか覚えていませんが、完全に「石を仕分ける人」になっていました。
by krd_aa
| 2017-05-31 00:10
| ・庭