2017年 01月 27日
家の名前
住宅雑誌をみていると、掲載されている家には当然のように「名前」がついています。
近所を散歩しながら、家々を見て回っても、表札には住まわれている方の名前は書いてありますが、家の名前は書いてありません。
もしや、書いてないだけで、実はこっそり名付けていたりするんでしょうか。
雑誌に載っているのは、名前というより「作品名」っぽいものが多いですね。
海外の名作住宅と呼ばれているようなものをみても、「サヴォア邸」とか「マイレア邸」とか、単に住人の名をつけて呼ばれているものが多いようです。
ヨーロッパには、家に名付ける文化を持つ地域があって、家の壁や門に刻まれていたりするようですが、それは愛称とか屋号のような名前で、雑誌に載っているような「作品名」っぽいものではないようです。
この現象は日本独自のものなんでしょうか。
建築家や工務店の方の中には、この「名付け」に並々ならぬ熱意を持っている方がいらっしゃるようです。
そのお宅の大切なテーマを言葉にして名に刻んでおくことは、家に愛着をもって大切に育てることに繋がるんでしょうね。
表札の隣にその家の名前も書いてあったりすると楽しいかもしれません。
ただ、自分の設計した家に名前をつけるかと言われれば、僕はつけません。
特に主義主張があるわけではありません。
ただ「恥ずかしい」だけです・・・。
以前、ある建材メーカーさんが施工例として、わが家をウェブサイトに掲載してくださるとのことで、写真やデータをメールする機会がありました。
その記載項目の中にありました。
物件名!。
やっぱりこの国の住宅は「名付け」なくてはならないのかと悩みました。
一旦書いてはみましたが、恥ずかしくなり即消去。
その後、ただ「住宅」とだけ記入して送信しました。
後日、掲載された物件名を見て驚きました。
実は、僕が赤面しながら名付け、即消去したのは「ひとつ屋根の家」。
心を込めて設計すれば、名付けて殊更アピールしなくても伝わるんだな、とちょっと感動しました。
散歩しながら、それぞれの家の雰囲気をみて、勝手に名前をつけるのも面白いかもしれませんね。
「家」のことではありませんが、道で散歩中の犬をみかけると、僕は勝手に名付け、飼い主に聞こえない程度にこっそり「コロ!」と呼びかけています。
by krd_aa
| 2017-01-27 15:58
| ・建築